1.16と1.17を、私たちは将来語り続けるだろう

ライトアップ エッセイ
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2021年1月16日、17日。
この2つの日付は私にとって大きな意味を持っている。

あ、受験生の皆さん、共通テストの受験、お疲れさまでした!!
感染症だったり新しい傾向だったり、いろいろな不安なところもあったかとは思いますが、それを乗り越えた経験は将来絶対生きる!!はず!!
もう終わったことは仕方がないので、前を向いてまた頑張ってください!!
まだ!!まだ!!伸びますよ!!!特に現役生!!!!

さて。
1つは、関西人にとっては消えるに消えない阪神淡路大震災
2021年1月17日をもって26年を迎える。
当時私は生まれていなかったものの、両親は被災しておりその時の経験をかなり鮮明に記憶しているようで、いろいろな折にその経験は語ってくれた。
最近はかなり足も遠のいていたものの、東遊園地で行われている点灯式にも朝から何度となく参加していた。
今年はやはり行かなかったけれども、ニュース越しにいろいろなところで希望の光がともっているのを見た時には、画面越しながらにウルっとしたものがある。

とりあえずヤフーニュースはこのツイートのリンク先のサムネ画像は永遠に残るようにしてほしい。ホント。

そして2つ目は、新型コロナウイルス感染症
もう新コロちゃんなしには何も語れない世の中になってきましたね。
COVID-19という名前からもわかるとおり、この感染症が初めて確認されたのは2019年。ちなみにWHOに対して中国が新興感染症の疑いとして本疾患と思われる病態を報告したのは2019年12月31日でした。

じゃあ、1月16日がなぜ特別な日だったのか?
それは、昨年2020年1月16日が、日本においてCOVID-19の初めての感染者を確認した日付だったからです。そういう意味では、日本はCOVID-19の1周年を迎えたともいえます。


長かった1年、それとも思いのほか短かった1年だったでしょうか。
どうであれ、誰にとっても「つらい」1年であったことは確かなのではないかと思います。

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データに負けたくない

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私の新コロちゃんとの出会いは、本州の皆さんに比べれば早かったのかもしれません。私が新コロちゃんと関わるようになり始めたのは、当時緊急事態宣言というパワーワードを始めて発動した北海道。3月のことでした。
そこからズルズルと底抜け沼のようにひたすら研究に携わっていくことになり、今に至っています。

この1年で、新コロちゃんについてはひたすら色々な情報が出てきました。
学術論文も大量に出てきました。
しかし、1つ言えることは確かで、この感染症については、すべての知識がこの1年で蓄積されているということです。治療薬であれその広がり方であれ、その情報はすべてこの1年で得られたものです。そう考えると、この1年だけでとてつもない進歩を医学は遂げたことになります。1年以内にワクチンが開発され、接種されているような感染症は、人類史上今まで1度もなかったのではないかと思います(私が不勉強なだけだったらすみません)。

ということは、逆に言えば、この1年の情報だけをすべて追っていけば、この分野ではある意味知識のアップデートが完了する、ということにもなります。そういう意味では、いろいろな学者さんも医師たちも、いつの間にかチームの中に学生が混じりこんでいることに対してあまり違和感を感じなかったのかもしれません。もちろんすべての研究や医学は今まで積み上げられてきた治療法や疫学的手法の上に成り立つものであることには変わりありませんが、新しい知識を生み出すという領域においては、世界中の全員が「よーいどん」でのスタートであったため、全員がひたすら互いに助け合いながら前に進んでいくというスタイルだったのではないかと個人的には思っています。

データをとって、その解析をする。ひたすらこの繰り返し。
私は中央官庁には直接行きませんでしたが、現場の人たちから聞く限りでは、初めのタイミングではまずこの「データを取る」という作業自体が非常に難しかったと聞いています。
そして、いざそれを解析するとなっても、私からすれば解釈不能なものばかりでした。情報の波におぼれそうになりながら、とりあえず何かを見出そうと必死でした。失敗が続いた日々が重なる中、無慈悲に積みあがっていく感染者数と死者数。私にとっても、4月から5月にかけては特に地獄の日々でした。
私にとってこの1年は、データと戦い続けた1年であったといっても過言ではないかもしれません。

そして、その戦いは、今でも続いています。

新コロちゃんはどうもかなり奥手のようで、まだまだ分かっていないことが非常に多い。しかも、感染者が減ったと思ったらまた増えてくるので、どうしたらいいのかもわからない。

あ、余談ですが、トキソプラズマ症という病気をご存じでしょうか?これは新コロちゃんと同じく人畜共通感染症という疾患に分類される病気です。人畜共通感染症とは、人間にもほかの動物にも感染する感染症のことです。新コロちゃんはコウモリから人に感染したと考えられていますが、トキソプラズマはネズミや猫に感染します。トキソプラズマのすごいのは、ネズミに感染すると脳内に移行して、ネズミの移動する速さが落ちるんですね。それで猫につかまりやすくなって、猫に感染しやすくするという驚異的な進化を遂げているんです。


今、どうも統計を見ていると興味深くて。新コロちゃんの期間中に10回以上他人と食事に出た人と、まったくいっていない人がそれぞれ20%弱なんだとか。

首都圏情報 ネタドリ! – NHK

もしかして新コロちゃん、若者に感染して、トキソプラズマみたいにさらに延命するような行動変容を促す機能獲得でもしちゃったの??とか思ったりしちゃいますね。うーん、嗅覚を携わる嗅細胞、かなり脳に近いしな…合点は行く…とか妄想がどんどん広がって…
あ、まったく科学的根拠のない話でございました。すみませんすみません。忘れてください。

話がそれました。戻りましょう。

そんなこんなでデータと戦い続けていたわけなんですが、今一番戦っているデータがこれです。

Japan: COVID-19 Public Forecasts › 日本語 – Japan COVID-19 Forecast Dashboard (google.com)

あまり知られていませんが、Google大先生がかなりキレイに新コロちゃんの未来予測を出してくれているんです。

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確かに絶望するような内容しか出てこないので、ある意味あまり見たくないデータではあるんです。でも、こうならないように…と思いながらなんとか毎日いろいろな文献やデータを漁っています

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ちなみにこの日は大阪がひたすら悲惨な予測が出てました…

世界中の盟友たちが戦っている

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とはいえ、私がやっていることというのは、あくまで後方支援に過ぎません。どんなデータが出たとしても、実際に社会や医療現場で使えなければ意味を成しません。実際にデータが社会や医療現場で活用されてはじめて私たちの仕事は生きる、ということになります。

そういう意味では、医療従事者と患者という垣根を越えて、世界が初めて全員共通となって新コロちゃんと戦うという形になったともいえるかもしれません。日本でも世界でも、社会でも医療現場でも、みんながみんな、新コロちゃんがない時代を目指して戦っています。私だけではないし、あなただけでもありません。みんな、一丸となって。戦おう!とか気合の問題ではなくて、もう実際に戦ってるんです。たとえ戦いたくなくても。

でも、そう思えることが1つの救いになります
少なくとも、私には。
いろんなニュースを見たりするたびに、なんでこんなことやってるんだろうなぁって思うことは、この1年の中でも多々ありました。Twitter、やっぱり消そうかなぁと思ったことも何度もありました。それでも、なんだかんだ戦い続けられたのは、その先には楽しい次の明るい未来が待っているとまだ信じられているからなのかなぁと思っています。
みんな戦いながらも、時には笑って、時には泣いて。時には歯を食いしばってるんだなぁと共感できるからこそ、まだ私は頑張れていると思います。

正直なことを言えば、私1人が何かを頑張ったからといって、社会が劇的によくなるわけでは決してないと思います。ただ、そう思っている人たちは、意外とたくさんいるんじゃないかなぁとまだ私は思っています。
だからこそ、1人がその気持ちに負けたら、ふっとみんなが崩れていきそうな気がして。私よりも何十倍もつらい思いをしているであろう最前線の人たちに、今私が辞めてしまったらどんな顔していけばいいんだろう。そんなことを思うとまだ前向かにゃなぁと改めて思う。そんな日々が今のところ続いています。

私たちは、どこに向かうのか

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ここまでいろいろと書いてみましたが、結局のところ、私がこの文章を通じて何を皆さんに伝えたかったのか、私自身が一番よくわかっていません。
別に今書いたことってある意味当たり前のことに過ぎないし、そんなこともあるだろうなぁくらいにしか思わない方も多いでしょうし。

でも、何となく、改めて何か文字に残したいなぁと思った自分がいたんですよね。
すみませんなんか(笑)普段は読んでもらった方に有用になるような情報を届けるように心がけてるんですけど、今回は本当に私の胸の内を聞いてもらう会になりました(笑)
あ、まぁもしかしたら医学部の低学年の方がいらっしゃったらトキソプラズマの話は勉強になったかな?w面白いよ、感染症。もしもこれをきっかけに興味を持ってくれたら、ぜひ勉強してみてください!

まぁ、私のサイトなんで。すみません、年1回くらい許してください(‘◇’)ゞ

この文章の方向性もわかんないんですけど、よくよく考えたら私たちの将来もなおさらよくわかりませんね。この1年振り返ってみて、結局新コロちゃんにひたすら振り回されてたんかーい!ってなったら、自主的に生きろ!!!みたいなことを言われても「自主性ってなんじゃらほい?」って感じにしかどうしたってなりませんからね(笑)

昨年の11月に開催されたグローバルヘルス合同大会2020という学会の中で行われた学生シンポジウムが「私たちはどこに向かうのか~医学生のCOVID-19への対応・順応・応答~」というテーマだったらしいんですが、ぜひこのシンポジウムの結論はきいてみたいものですね…。

私たちは、ホントに、どこに向かっていくんですかね…?その先がとりあえず明るいことであることをひたすら願っております…!

医学部って、苦しいけど楽しい!

以上、マイルで旅する医学生「ちっぷ」(@aiueo_tips)がお送りしました!

まだまだ未熟だけど頑張るよ!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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