熱中症、どのタイミングで救急車を呼ぶ?~熱中症の診断と病態~ 【熱中症vol.3】

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熱中症にいつ救急車を呼ぶべきか??

 
 
前回は解熱剤がなぜ熱中症に効かないのかを書いてみました。
熱中症に解熱剤はなぜ効かない??インフルと熱中症での体温の上がり方の違い【熱中症vol.2】
熱中症でなぜ体温が上がるのかというメカニズムの紹介

今回は熱中症について、診断や病態、治療について書きながら、どのタイミングで病院に行ったり救急車を呼ぶべきなのかを書いてみたいと思います!

 
 

熱中症の診断基準

 
まず、熱中症の診断基準ですが、ざっくりいえば、
診断基準として確固たるもの(少なくとも学生がはっきりと言葉にできるようなもの)はありません
熱中症の定義は、本コーナーの1回目で書いたとおりです。
暑さに関する体調不良、かなり幅広く設定されているので、逆に診断が難しいんですよね。
 
多くの病気では、レントゲンや超音波、CTやMRIなどといった画像検査の特異所見だったり、バイオマーカーなどといったものが、どれもありません。
画像所見とは、例えば、レントゲンの所見としては、骨折であれば骨に切り込みがあったり、心不全があれば心臓が大きく見えたりします。
バイオマーカーは、がんについてが有名ですかね。バイオマーカー自体は診断を確定させるというより、「この診断がおそらく正しいのではないか…?」ということを示唆するものでしかないですが、それすらもないということになります。血液検査をするとがんが見つかったりするというのがあれですね。ちなみにですが、熱中症のバイオマーカー探索は、今のところかなりホットな研究テーマになっています。ゆくゆくは熱中症の診断が簡単にできるようになるかもしれませんね。
 
なので、医療現場では、患者さんが体調が悪くなったとき、どのような暑さ環境にいたのかをしっかりと聞き取ること(暑熱暴露環境の聴取)が最も大切になるのだそうです。
 
確固たる診断基準がないので、ほかの発熱性疾患・意識障害をきたす疾患ではないとしっかり除外していくこと(鑑別診断)が大切となります。
たとえばですが、検討すべき病気としては、
  • 感染症
  • 炎症性疾患
  • 脳卒中
などがあります。ちょっとマニアックなところになってくると
  • 薬物中毒
などにも注意せよ!といわれます。
(特に覚せい剤中毒には、悪性過高熱という状態になることがあるそうで、覚せい剤では急激な体温上昇がみられるのだそうです…)
 
また、医療機関では、体温をはかるとき、普段インフルエンザで計るように脇の下ではかる体温(腋窩温)はあてにならないと判断して深部体温を測定することもあります(舌下温や直腸温など)。
 
 

熱中症の病態

熱中症は重症度に大きく3つに分けられます
  • I度:日射病、熱痙攣
めまい、あくび、筋肉痛、こむら返り
応急処置と見守り
  • II度:熱疲労
頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下
病院受診の必要あり
  • III度:熱射病
中枢神経障害、肝機能障害、腎機能障害、血液凝固障がいのいずれかが存在
入院の必要あり
 
特にI度とII度はかなり区別するのが難しく、現場でもあまり厳密に区別しないことも多いそうです。
興味深いのは、重症度の分類に体温は考慮しなくていいというところです。
これは日本特有の基準だそうで、海外の熱中症の重症度分類には体温が重症度の判断に含まれるそうです。どうでもいいですかね(笑)
 

どのタイミングで救急車は呼ぶべき?

このように熱中症は、判断がすごくしにくいのも特徴です。
特に、熱中症の場合、どのタイミングで救急車を呼ぶべきか?という判断は、かなり難しいのではないかと思います。
 
ざっくりというと、まずは、熱中症で苦しそうな患者さん、意識はあるかどうかを確認してください。
意識がない場合、重傷です。迷わず救急車を呼んでください。
意識はあるけどもうろうとされている方、ぜひ、歩けるか、水は飲めるかを確認してください。これがざっくりと中等度の基準になります。
意識がはっきりしている方(意識清明)は、軽症ですむ場合が多いです。
ただ、その瞬間は大丈夫そうでも、あとからどんどん悪化してくることもありますから、苦しそうな方は注意して気をかけていただいて、危なそうだったら病院に連れて行ってあげてくださいね…
 
特に、水分補給などでも回復しない場合は病院に行きましょう
 
ちなみにですが、I度の熱中症に含まれる熱痙攣(Heat cramp)は、いわゆるこむら返りに似ています。一部の先生では、こむら返りと同じだとおっしゃる方も。
これは、汗をかく量が増えるので(発汗過多)、塩分を失ったり(塩類喪失)と、水分補給により体にある液体の濃度薄くなってしまうという電解質異常をきたし発症するものです。
熱中症予防には水分補給だけでなく塩分補給も大事だというのは、こういう理由があります。体の中の塩分濃度を下げないようにするんですね。
ちなみにですが、湿度が高い夕方などに多いらしいです。

まとめ

今回は熱中症の診断と病態について書いていきました。

次回は、熱中症に対する病院などでの治療について書きつつ、その中では

冷えピタがなぜ熱中症治療に無効なのか?

について取り上げたいと思います!

熱中症になぜ〇えピタは無効なのか?熱中症の治療方法【熱中症vol.4】
熱中症の治療方法を簡単に紹介しています

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