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熱中症のちょっと不思議な統計を解説する【熱中症vol.5】 | 雲の上はいつも晴れ

熱中症のちょっと不思議な統計を解説する【熱中症vol.5】

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ちょっと不思議(?)な熱中症

 
前回は、熱中症で◯えピタはマジ無意味!という話を書きました。
 
熱中症コーナー最終回、今回は最後に熱中症のちょっと不思議な統計をご紹介しながら解説してみたいと思います!
 

熱中症はどこで多い?

 
 
いきなり突然な感じもありますが、熱中症ってどこで多いと思いますか??
せっかくなのでここは焦らさず(笑)答えとなるグラフをお見せしますね!
 
こちら、熱中症患者数を都道府県別で比較したものです。
全国の熱中症による救急搬送人員
 
上位ランクを見ると、東京、大阪、愛知、埼玉…と大都市周辺に多いですよね。
患者「数」なので、人口が多いところがランキング上位に来るのは確かに当たり前といわれればそうですよね。
でも、よくよく見てみると、日本の中では暑いはずの九州沖縄あたりが、そこまで上がっていないと思いませんか?
 

熱中症はいつ多い?

さて次にご紹介します統計はこちらです。

 
 
またまた総務省消防庁さんから、時期別の熱中症患者数になります。
ゴールデンウィーク直前からはじまって徐々に人数が増えてきますが、7月にピークがやってきて、どんどん患者数も減ってくるんですよね。
これもちょっと不思議じゃないですか?7月より8月のほうが暑くなるのに、患者数は減ってるんですよね。
 
 
熱中症の統計の不思議な点、説明してみる
実はこの2つの統計、同じ現象に基づくものなんです。
 
結果から先に書くと、要するに、「暑いところにいると暑さに慣れてくる」んですよね。
みなさんもちょっと感覚ないですか?夏って一番始まったタイミングがキツイって感じ。
これ、実は医学的にも説明できるんです。この現象を「暑熱順化」といいます。
 
暑熱順化、すなわち暑さへの慣れですが、これにも短期的なもの、長期的なものと2通りあります。
 
まず、短期的に毎年夏の暑さに慣れてくるような暑熱順化は「短期暑熱順化」と呼ばれています。
暑さに体が慣れてくると、より低い気温でも汗をかきやすくなり、その分汗が薄くなっていき、汗の塩分量が減っていきます。これにより体温冷却が早まるので、徐々に体が暑さに慣れていくのです。ですが、一方で、汗がだらだら出るので、電解質異常(低ナトリウム血症)を起こしやすくもなります。
 
これにより、夏の最盛期には、夏の始まりと比べると熱中症が減るわけです。
 
 
その一方で、ずっと暑い地域に住んでいると起きてくる体の変化である暑熱順化を「長期暑熱順化」と呼びます。ほんとにそのままですね(笑)
 
長期のものでは、短期のものとは逆に、出る汗の量はむしろ減りますが、汗を出す汗腺の数(能動汗腺数)が増え、1つ当たりの汗腺からは少ない汗の量でも効率的に体を冷却できるようになっていきます。これには、遺伝的、人種的要因も関与するといわれています。
 
沖縄など、日本でも南のほうで熱中症患者が少ないのは長期暑熱順化の影響とされています。ちなみにですが、東南アジアでも熱中症になる人はどちらかというと少ないそうです。
 
 
というわけで、以上で熱中症のコーナーは終わりになります!
みなさん、来年以降、夏が始まるタイミングでは特に熱中症に注意してくださいね!
 
 

熱中症シリーズ

vol.1 熱中症の定義

 vol.2 熱中症の体温の上がり方、なぜ解熱剤は無効なのか?

 vol.3 熱中症の診断と病態

 

  vol.4 熱中症の治療

https://www.travel-rescue-tips.com/heatstroke4/
 

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